思い出ドキュメント … 当時の「お気楽日記」より転載および加筆修正
塚田ジャズバレエ・ワークスタジオ発表会
TSUKADA STYLE☆ in 芸森 @2010年10月31日(日)



★10年10月31日(日) お願い…もう少しだけ、みんなと一緒に、ここにいさせて!

すったもんだの劇場入りから一夜明けて、本番当日の朝を迎えました。シャワーあがりの濡れ髪にドライヤーを当てて整えると、次に舞姫が取り掛かったのは、なんと“舞台メイク”です。例年と異なり今年の発表会は、特殊な“3方面”構成の舞台空間も含め、舞姫も何もかもが初めてづくしで、普段使い慣れた劇場施設と違って“お勝手”が判らないことも多いですし、おそらく何する余裕もないままバタバタと時間が過ぎていくことが予測されます。そこで、少しでも時間と手間隙を節約するために、大胆にも自宅を出掛ける前に“舞台メイク”を済ませてしまおうと思った次第です。大丈夫、劇場に到着するまでの間、周囲の人目に触れて少々恥ずかしい思いをすることを我慢すりぁいいだけです(爆)。

せめて“つけまつげ”ばふばふ状態の瞳だけでも少しでも隠そうと思い、サングラスをかけて自宅を出掛けた舞姫ですが、劇場に到着すると、まずはバラードクラスの楽屋に立ち寄って、昨夜仮置きさせてもらった荷物を回収。バラードのダンサー達に、きのう一日“仮住まい”させて頂いたお礼を言うと、本日の楽屋となる大部屋へとお引っ越しです。お〜、広い!たぶん、普段はダンスの稽古などにも使用されている部屋なのでしょうか、床はフローリング、壁も大きな鏡張りで、なかなか快適です。楽屋では、既に到着していたチームメイト達数名が、鏡張りの壁に向かってメイクや髪型作りにいそしんでいましたが、事前に自宅でメイクを済ませてきた舞姫は、椅子の上に脚を乗せて、さっそくストレッチから始めることに。

昼の部の開演まで、あまり時間的にも余裕のない状況でしたが、取り急ぎ我々レギュラークラス4作品を含む幾つかの作品の最終チェックが舞台上で行われることに。不器用で要領を得ない舞姫は、きのうのゲネプロ(ゲネラールプローベ“Generalprobe”の略。本番と同じ舞台を使用し、舞台進行・照明・音響など本番と同様にし、出演者も本番と同じ衣装を着用し舞台メイクを施し、客席に観客がいる想定のもと、すべて本番とまったく同じ条件で通し稽古を行うこと)では、初めての経験となる特殊な空間のなかで、右も左も判らず“消化不良”気味のまま、あれよあれよという間に時間が過ぎていってしまいましたが(汗)、この最終チェックでようやく脳内ディスクのデフラグ的なことができてきました。

開演直前、「お客さん、いっぱいいるよ♪」というチームメイトの声に、「げっ?!」と思って客席を覗き込んだ舞姫ですが、本当に客席は殆ど満席状態で埋められています。今年の発表会の劇場がここに決まった当初は、こんな都心部から離れた森林に建つ劇場に、はたして観客が来てくれるのだろうか?…と、一抹の不安も抱いていた舞姫でしたが、いざ蓋を開けてみると、そんな心配は不要だったようです。不安と期待が複雑に入り混じるなか、いよいよレギュラー最初の上演作となるE先生の作品に備えて、“暗転・板付き”(演目の上演が始まる前の、まだ舞台上に照明が入れられていない状態で、出演者が既に所定の位置に付いていること)で所定の位置へと付きます。

それにしても、客席が近い!…。上演が始まって、“客席”〜“舞台”間の近さに、まずは度肝を抜かれました。とにかく、客席に座るお客さん一人一人の人相が確認できるほどの至近距離です。この凄まじい“臨場感”に、小心者の舞姫がうろたえたことは、言うまでもありません。高鳴る心臓の鼓動を感じながら、自分が、“アスリートハート”(Athlete's Heart:長期間に渡って激しいトレーニングを持続的に行うことで、心臓の筋肉が鍛えられることにより、心臓が拡大される現象。運動の習慣のない一般の人よりも脈拍数が少なく比較的に呼吸が穏やかで、少ない呼吸で必要な空気を身体に送り込むことができるため、心肺機能に優れていることが特徴)の持ち主だなんて、ぜったいにウソだと思った(爆)。

己のメンタルの弱さから、昼の部では終始浮き立ったような気持ちで、どうにか自分の役目を務めた舞姫でしたが(汗)、夜の部では若干ですが落ち着いてきて、動きの硬さも少し解れてきたような気がします。ただ、やはり今回は、初めての経験となるこの特殊な舞台空間に“飲まれて”しまった感もあり、普段の稽古ではできていた筈のことが本番ではできなかったり…みたいなこともあって、ちょっと後悔の念が残る舞台ではありました。けど、ダンスの舞台作品では滅多にないであろう“3方面”構成は、自分にとってもチームメイト達にとっても、貴重な体験となったことだけは、間違いありません。

「本番の舞台は、あっという間に過ぎてしまうよ。だから…みんな、きょうは楽しんで!」…開場に先駆けて、出演者全員がアリーナに召集された際、スタジオ代表者であるT先生が発した言葉です。舞台というのは儚いもので、どんなにたくさん稽古を積んできても、本番の舞台は一瞬のうちに過ぎ去ってしまいます。刻々と終演のときが迫るフィナーレで、「お願い…もう少し、もう少しだけ、みんなと一緒に、ここにいさせて!」…舞姫は神様に祈った。きのうの劇場入りから、きょうの終演に至るまで、矢の如く過ぎ去っていく時間を惜しむように、豊かな自然に恵まれた森林の劇場で、みんなと共有する時間を大切に大切に過ごした発表会でした。


★10年10月30日(土) そして、森林の劇場へ。

本番前日となりました。きょうから、舞姫もチームメイト達と一緒に劇場入りです。毎度のこととはいえ、衣装にシューズにメイク用具等、諸々のグッズを詰め込んだ巨大バッグを抱えて自宅を出掛けた舞姫ですが、行先は通い慣れた交通の便の良い某劇場ではなく、都会の喧騒から隔離された森林の奥地に建つ円形劇場です。なにせ劇場施設の周辺には商店の類は何もないので、食べ物&飲み物など事前に調達の上、バスに乗って現地へと向かいました。

初めて使う劇場で右も左も判らず、不安を多く抱えたまま現地入りした舞姫でしたが、いちばん大きな不安の題材だったのは、“楽屋”“舞台”との間の往復経路。あしたの本番で、この“楽屋”〜“舞台”間の往復を滞りなくスムースにできるよう、きょう一日で劇場施設内の間取りや構造などをよく把握したいところでしたが、我々レギュラークラスを含む本部スタジオの夜クラスおよびオープンクラスの生徒さん達が当日使わせて頂く予定となっている楽屋は、あいにくきょうは他団体で予約が入っていて使用することができず、きょうのところは取り合えずバラードクラスの楽屋に“仮住まい”させて頂くことに。きょうはこの狭い楽屋に女性出演者の大半が密集することになりますが、致し方ありません。(^^;)

楽屋に荷物を置いて取り合えずTシャツ&スウェットパンツ姿に着替えると、まずは上演の場となる“アリーナ”へ。足を一歩踏み入れた瞬間、視界に飛び込んできた空間に、舞姫は度肝を抜かれました。我々のパフォーマンススペースとなる“舞台”は、段差はなくフラットな状態。その周囲を取り囲むように、前方&上手&下手の3方向に客席が設置されています。我々が出捌けに使用する“通り道”は、舞台後方&前方の上手&下手に各1ヶ所ずつと舞台前方の中央部に1ヶ所の、計5ヶ所。当然、この特殊な構造では“舞台袖”なるブツの設置は不可なので、スタンバイや出捌け・移動など、すべて観客の視界に入る状態で我々は行うことになります。

勿論、こういう構造であることは、“3方面”構成を想定した稽古が始まった段階から充分承知していた筈だったのですが(ぢつは、この企画が持ち上がった当初、“舞台後方”という概念が存在しない“4方面”構想がありました!で、いささかそれは無茶だろう…という話になって、結局“3方面”構成へと落ち着いた次第でした)、実際にナマでこの特殊な空間を目の当たりにすると、やはり戸惑います。大丈夫なのか?本当に、ここで踊ったり演技をしたりできるのか?…すっかり不安を煽られてしまった舞姫でしたが、“ムンクの叫び”のような顔で眼を点にしている場合では、ありません。あしたの本番に備え、きょう一日は予定が詰め詰め状態なので、素早く迅速に行動に移さなくてはなりません。

まずは、順を追って各作品の“場当たり”が行われることになり、位置関係や移動経路、出捌けに使用する通り道などを確認。すべての作品の場当たりを終えた時点で、進行は少し押し気味でしたが、その後はフィナーレの稽古と集合写真の撮影を経て、取り急ぎゲネプロへ突入することに。“仮住まい”するバラードクラスの楽屋と、舞台のあるアリーナとの間を何度となく往復しながら、あした我々の楽屋となる部屋の位置も確認し、当日の往復経路を脳内で慎重にシミュレーションしていきます。初めての経験となる特殊な構造の舞台で試行錯誤を繰り返しながら、終始“手探り”状態の舞姫でしたが、2回のゲネプロを通す過程で、最初は右も左も判らなかった劇場施設の構造も少しずつ頭に入ってきて、あしたの本番当日の“楽屋”〜“アリーナ”間の往復経路なども、ようやく整理できてきました。自分的には問題点も反省点も山積みですが(汗)、あしたの本番でリベンジを図りたいと思います。

そんなわけで、すったもんだ七転八倒した本番前日でしたが、どうにか終えることができました。なお、衣装やシューズなど諸々のグッズは、きょうのところはバラードクラスの楽屋にそのまま仮置きさせて頂いた状態で、財布や携帯電話など必要最低限のブツだけ持ち帰ることに。これから疲労困憊の身体を引きずって暗い森林のなかを歩いてバス停まで行かねばならんことを考えたら、頭が少々重くなったのですが、有り難いことに自家用車で来たチームメイトが地下鉄駅まで送ってくれたので、帰りのバス賃も浮いて助かりました(嬉)。

このところ稽古中も不調が続いていた股関節の持病ですが、幸い普通に動いても大丈夫なくらいはリカバリーして、体調はまずまずといったところです。ちなみに、先達て諸事情あって土壇場で作り直す羽目となった空豆姫の作品の衣装の上半身部分は、きょうのゲネプロが“初お披露目”となったわけですが、こちらも無事に空豆ちゃんからOKを頂くことができました。あしたは舞姫も、この特殊な空間で過ごす時間を楽しみながら、チームメイト達と一緒に本番の舞台を務めたいと思います。♪





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