思い出ドキュメント … 当時の「お気楽日記」より転載および加筆修正
2015ジャズダンス・ナウ実行委員会主催 『2015 Jazz Dance NOW 〜四季《春・夏・秋・冬》〜 @2015年8月30日(日)

★15年8月30日(日) “大根役者”の挑戦!
★15年8月29日(土) 決して避けては通れないハードル。




★15年8月30日(日) “大根役者”の挑戦!

本番当日の朝を迎えました。劇場施設の開錠時刻である午前9時には到着した舞姫でしたが、なんとウチのスタジオでは一番乗りの楽屋入りでした。今年は1作品のみの出演とはいえ、本番前にはフィナーレの稽古に“ゲネプロ”(ゲネラールプローベ“Generalprobe”の略。本番と同じ舞台を使用して、照明・音響・舞台進行など本番と同様にし、出演者も本番と同じ衣装を着用し舞台メイクを施し、客席に観客がいるものと想定し、すべて本番とまったく同じ条件で通し稽古を行うこと)と、予定が詰め詰め状態。そのうえ、ベースとなる衣装を着用した状態で他のパーツを縫い付けていくという特殊な作業工程で作られた衣装は着脱が物凄い困難だし、特殊な“ゾンビメイク”にも手間がかかることであろうことを考えると、きょうも慌ただしく時間は過ぎていくでしょう。

まずは、フィナーレの稽古から。舞姫も、衣装に着替えて先生達&チームメイト達と一緒に舞台へ集合。昨年(当時の「思い出ドキュメント」は、こちら)と同様に、今年も舞姫は出演者全員で踊るユニゾン(Unison:群舞。複数のダンサーが同じ場面で一斉に同じ振付を踊ること)を“客席の通路”で踊らせて頂くことになったのですが、フィナーレ冒頭の各スタジオのダンスを終えてから客席の通路へ移動する段取りの確認に、意外と手間取りました(汗)。ちなみに、昨年とは違うルートを辿って客席の通路へ移動することになり、移動の距離も昨年よりも長くなったので、それこそ猛ダッシュで走って移動しなくては間に合いません。悪戦苦闘しながら2度ほど通して、ようやく経路を把握することができましたが、全速力で走って疲労困憊…。楽屋入りが早かったおかげで、朝のウォームアップの時間をそこそこ取ることができたのは、不幸中の幸いでした。ε=(´◇`*)

フィナーレの稽古を終えて楽屋に戻ると、“ゲネプロ”の準備に取り掛かることに。試行錯誤を繰り返した“ゾンビメイク”も、ようやく要領が判ってきて、なかなかいい感じにできるようになってきました。たとえ1作品のみの出演とはいえ、ウチのスタジオの某公演作品としては今年は久し振りの長編作品だったので、体力的にも物凄いハード。きのう消化不良のまま終えてしまった舞台稽古の“仇”を取るつもりで気合いを入れて臨んだものの、舞台上でチームメイト2名とかなり派手に接触事故を起こしてしまい、おおいに反省した次第でした(汗)。ただ、不完全燃焼だったきのうの稽古のときよりは、舞姫的には動きは格段に良かったと思うので、この調子で本番まで“気持ち”の維持に努めることに。

きょう劇場入りする前に、「これだけは心掛けよう!」と心に決めたことが、舞姫には2つありました。ひとつは、どんなに慌ただしい状況にあっても、必ず“ウォームアップ”はマメにすること。今年の本編作の振付には、Y字バランスや背中を大きく反らせたりなど、“柔軟性”を駆使する技法が数多く取り込まれています。身体能力に優れた若いダンサー達にとっては造作もなくできる技法でも、股関節疾患を持つ御年50歳高齢ダンサーである舞姫にとっては、至難の業です。まして、スタジオの柔らかい上質なフロアと違って、劇場施設の硬い床は身体への負担も大きいですし、今年ウチのスタジオの本編作は長編なので、体力的な消耗も激しいです。慌ただしさに流されるまま充分なアップができなかったら、たぶんこの身体はまともに動かない。だから、楽屋や舞台袖で過ごすときも、合間を縫うようにして極力アップを心掛けました。

そして、もうひとつ。これは“舞台人”としては当然のことなんですが、絶対に“変身”を解かないこと。舞台人は、“空想科学”の世界の住人。観客に“現実”の匂いを覚られてはならない。一瞬でも気を抜いて“素”に戻れば、その瞬間を観客は決して見逃さない。いちど板に乗ったら真剣勝負を挑んで、無事に役目を終えるまで、舞台上では絶対に“変身”を解かないこと。突発的なアクシデントに弱い舞姫、これで本番の舞台上で一瞬“変身”が解けてしまったことが何度もあります。歩いたり走ったりして移動するときや、客席に背中を向けるときなども、舞台人としての真価が問われます。先日の総見での動画を後日スタジオで見せて頂く機会がありましたが、くるりと後ろを向いた瞬間に変身が解けてしまった舞姫の姿を、しっかりと動画は映し出していました。だから…本番の舞台では、どんなことが起きても絶対に“変身”を解かない!…これだけは死守しようと誓ったわけです。

今年の某公演の全体テーマは『春夏秋冬』ということで、参加の各団体それぞれ四季のなかから好きな季節を選んで、その季節にまつわる作品を作っていくことになったのですが、ちなみにウチのスタジオが選んだ季節は“秋”で、取り上げることになった題材は“ハロウィン”です。お恥ずかしながら舞姫も、カボチャの提灯を飾ってお祝いする“秋の収穫祭”という以外では取り立てて詳しい知識もなかったのですが、その後いろいろ調べたところ、このハロウィンというのは年に一度“死者の霊”が人間界へ降りてくる日だそうで、今回の本編作で舞姫を含むレギュラークラス11名+ジュニア中高生5名=計16名は、ハロウィンの日の夜に黄泉の国からやって来る“ゾンビ”の役を演じます。

初めて挑戦する“ゾンビ”という配役に、稽古が始まった当時から、きょうの本番の日を迎えるまで、舞姫&チームメイト達は悩んで試行錯誤を繰り返しました。どんなに気持ちを作り込んで挑んでも挑んでも、スタジオ代表者T先生から出されるのは、辛口のダメ出しばかり。あいにく“M”ではない舞姫は、厳しいダメ出しを連発されて「なにくそ!」と思って奮起するようなタイプでは、ありません。「いいか、お前たち!“ゾンビ”でいろ!」…この言葉に、メンタルめちゃくちゃ弱い“大根役者”の舞姫が幾度となく凹んで行き詰ったことは、言うまでもありません。

本番直前の舞台袖で、舞姫は先生達&レギュラークラスのチームメイト達&ジュニアクラスの小中高生ダンサー達と手を取り合って、恒例の“円陣”を組んで気合いを入れました。みんなの気持ちがひとつになれば、きっと素敵な作品にできることを信じて…。不器用で小心者の“大根役者”の舞姫が、行き詰って凹んで悩み続けた“ゾンビ”の役。たとえ想定外のアクシデントが起きても、たとえこの身体が思うように動かせない事態が起きても、どんなことがあっても、この“変身”だけは絶対に解かない!…そう呪文の如く何度も心に唱えながら、舞姫は本番の舞台へと向かいました。

本番の舞台は、一瞬にして過ぎていきました。舞姫は、“目標”を果たすことができたのか?観客のみなさんは、ウチのスタジオの本編作を楽しんで鑑賞してくれたのか?…あいにく舞姫は、それを知る術を持ちません。ただ、舞姫的には本編作の上演が始まってから最後の瞬間を迎えるまで“ゾンビ”でいることができたと思うし、スタジオ代表者T先生も終演後は舞姫&チームメイト達を快く迎えてくれました。11月に上演予定のスタジオ発表会(昨年の「思い出ドキュメント」は、こちら)にて再演が決まっている本編作、スタジオ貸与の衣装については、それまで各自で大切に保管するように…とのお達しでした。“大根役者”の舞姫が七転八倒を繰り返した“ゾンビ”役ですが、引き続き11月まで奮闘することになりそうです。がんばります!(>_<)




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★15年8月29日(土) 決して避けては通れないハードル。

本番前日。舞姫も、先生達&チームメイト達と一緒に劇場入りです。衣装にシューズに舞台メイク用具…etc。夜逃げの如くの大荷物は毎年のことですが、3作品に出演した昨年の某公演と違って、今年は舞姫は1作品のみの出演で衣装も1着だけだったので、昨年よりは少しだけ荷物も軽く済んで楽チン。(^^)

施設の裏手にある通用口から劇場内へ入り、関係者受付のスタッフさんに所属スタジオ名を名乗って「よろしくお願いしま〜す」と挨拶をすると、なぜか舞姫はスタッフさんから「STAFF」と記されたバックステージパス(Back Stage Pass:公演の際、スタッフや関係者のみに配られる通行証)を手渡されました。どうやらスタッフと間違われたらしく、渡されたパスを返しながら「あ〜、私、出演者です」と伝えると、「失礼いたしました!」…と、平謝り状態になりながら楽屋の場所をおしえてくれました(汗)。まぁ、若いダンサー達が出演者の大半を占める某公演ですから、こんなオバちゃんが関係者受付を訪ねてきたら、まさか出演者とは思わなくて当然だし、スタッフor送迎の両親と勘違いされても致し方ないか…。(^^;)

狭い楽屋で先生達&チームメイト達と寄り添うように前日&当日の2日間を過ごした昨年と違って、幸い今年は広い楽屋が割り当てられたので、快適に過ごせそうです。荷物の整理を済ませてレッスンウェアに着替えると、まずはウォームアップから始めた舞姫でしたが、程なくして「そろそろ衣装に着替えましょう」という先生達の声に、舞姫もアップを中断して準備を始めることに。不器用で何をするにも要領を得ない舞姫なので、余裕を持って早目に楽屋入りした筈だったのですが、意外と手間のかかる“ゾンビメイク”に奮闘して時間を取られてしまい、“場当たり”(ばあたり:舞台上での立ち位置や移動経路、出捌けの袖幕などを確認する、交通整理的な作業)の段取りなど確認するうちに、瞬く間に時間は過ぎていって稽古が始まる時刻を迎え、みんなでゾロゾロと楽屋を出て舞台袖へ。

きょう行われたのは、本編作の場当たり&通し稽古。技術スタッフさん達に、みんなで「よろしくお願いしま〜す!」と挨拶をすると、さっそく場当たりから。各スタジオに割り当てられた舞台稽古の時間は限られているので、要領よく作業を進めなくてはなりません。3週間前に行われた“総見”(そうけん:技術スタッフさん達の立会いのもとで行われる総稽古)のときと同様、ジュニアクラスの小学生ダンサー達のパートの場当たりを最優先して、レギュラークラス11名+ジュニア中高生5名=計16名が演じる“ゾンビ”のパートの場当たりは極力少なくすることに。場当たり&通し稽古を終えて楽屋へ戻ると、スタジオ代表者T先生からは例によって辛口のダメ出しの連発。大人ダンサー達の注意力が散漫、臨機応変な対応ができていない…などなど、舞姫も耳が痛い限りです。 (>_<)

思い当たる節は、ありました。本来であれば劇場入り前の最後の稽古になる筈だった去る水曜日、レギュラークラスでは某公演の本編作の稽古をしていませんでした。じつは、毎年恒例のスタジオ発表会の本番を11月に控えていて、某公演の本番が終わってから稽古に取り掛かっていたのでは間に合わないので、レギュラークラスでは今月初旬から某公演の稽古同時並行発表会の稽古も始めていました。僅か3ヶ月余りで4〜5作品を仕上げなくてはならず、日程的にもかなりキツいです。たとえ某公演の本番直前とはいえ、発表会もスタジオにとっては大切な舞台なので、稽古をおろそかにできない事情もあり、先日の水曜レギュラーでは発表会作品の稽古が優先され、某公演についてはフィナーレの振付&段取りを確認するのみに留め、本編作の稽古は行われなかったわけです。

ただ、不器用で小心者の舞姫にとって、「劇場入り前の最後の水曜レギュラー」は本当に大切な稽古でした。たった1回の通し稽古だけでも構わない。この日のスタジオでの稽古で、思いの丈を出し尽くして、本番に向けてがっつり気持ちを作り込んだら、木&金曜日はしっかりコンディショニングに努めて本番に備える…というのが、舞姫の長年のパターンでした。けど、“劇場入り前の最後の稽古”になる筈だった先日の水曜レギュラーで、本編作の稽古がナシになってしまったことで、長年培ってきた舞姫の“ピーキング”のリズムに若干の狂いが生じてしまったわけで…(汗)。最後に本編作の稽古をしたのが、月曜日。6日間も間隔が空いてしまうと、さすがに感が鈍ります。勿論、空白と化したこの6日間、気持ちを途切れさせることのないよう精一杯を尽くしたけど、きょうのリハでは感覚が戻り切らないまま舞台に立ち、場当たりでは要領を得ず、消化不良のまま稽古を終えました…orz

ダメ出しが終わると、本日は解散。例によって、きょうから楽屋に荷物を置いたままでOKとのことだったので、衣装や舞台メイク用具などはそのまま楽屋に置かせて頂き、財布や携帯電話など必要最低限のブツのみ持って帰宅の途に。己の“不器用”免罪符にしてはいけない。毎年この時期に重なる某公演&発表会の同時並行稽古は、レギュラークラスの一員である限り、決して避けては通れないハードル。それを承知のうえで、舞姫は“レギュラークラスの一員”として舞台に立ち続けてきた筈。だから、どんなにつらくとも、そのハードルは乗り越えなくてはならない。あしたの本番前のゲネプロが、本当に最後の稽古。きょうの場当たり&通し稽古での問題点や反省点を思い起こして、もういちど、しっかり“気持ち”を作ろう。“大根役者”をナメんなよ!




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