思い出ドキュメント … 当時の「お気楽日記」より転載および加筆修正
塚田ジャズバレエ・ワークスタジオ発表会 『goose bumps - 3』 @2007年11月11日(日)


★07年11月11日(日) 本番中に“ガス欠”!

本番の日の朝を迎えました。前日の長丁場が影響してか、身体が妙に重たい…(汗)。劇場近くの某ファストフード店で買った熱いコーヒーをすすりながら、さっそく舞台メイクなど諸々の準備に取り掛かります。開場の時刻となり、オープニングを経て、最後に全員で舞台中央に集まり“公開円陣”。掛け声を任せられたチームメイトが、気勢を上げます。この彼女の元気な掛け声が、舞姫をはじめ出演者全員に、パワーを与えてくれます。

円陣で気合を入れると、まもなく昼の部の開演です。5作品に出演の舞姫は、自分の出番が済むと一旦楽屋に戻り、次の作品の衣装に着替えて再び舞台袖に戻り…という工程を、本番中に幾度となく慌ただしく繰り返します。所々小さな失態はやらかしましたが(殴)、総体的にはどうにか無難に昼の部を終了。

夕方の部の開演まで、1時間少々。うっ…身体が鉛のように重い。前日、劇場にほぼ丸一日缶詰状態で、舞台の硬い床で踊り続けた疲れは容易に取ることはできず、昼の部を無事に終えた安堵感も追い討ちをかけて、楽屋の床に横になると、そのまま深い眠りに…どうやら爆睡してしまったようで、チームメイトに声を掛けられて目覚めるまでの記憶が、まったくない…orz

とにかく、夕方の部のための準備に掛かる。まずは、昼の部で汗をかいて崩れたメイクを修正。いまだ、身体に残る疲労感。持病の膝痛や股関節痛も、くすぶりかけている。けど、厳しい稽古状況だったのは、みんな同じな筈。体調を崩し、万全とはいえない状態でこの本番を迎えたチームメイトも数名いる。つらいのは、舞姫だけじゃない。ここで舞姫ひとりが泣き言を発するわけには、いかない!…そう自分に言い聞かせながら、諸々の準備を進めていく。

やがて、夕方の部が開演。第一部を気合で乗り切ると、休憩を挟んで第二部へ。トップは、前日の午前中までスタジオで奮闘したバラードクラス作品。この前半の全員ユニゾン(Unison:群舞。複数のダンサーが同じ場面で一斉に同じ振付を踊ること)に差し掛かったとき、舞姫の身体は思わぬ異変に襲われた。

身体に力が入らない?!このとき舞姫の身体は…“ガス欠”を起こし掛けていた!激しい動作のたびに、バランスを失い足元がふらつく。思うように動いてくれない己の身体に戸惑う舞姫。まずい、頭ふらふらしてきた…けど、ここで気を抜いて“素”に戻ってしまったら、“変身”が解ける!…それだけは、どうしても避けたくて、気持ちが途切れないよう、舞姫は懸命に保ち続けた…。

思い当たる節は、ありました。第一部のラストは、夏の公演の再演作であるH先生振付の「さくらん」。初演時と同様、今回の再演でも我々は、顔に派手な“花魁”メイクを施し、長髪の者は結い上げて“うなじ”の見える髪形を作り、舞台へと臨んだわけですが(そのときの話も含め、初演時の模様は、こちら。→思い出ドキュメント『第26回 JAZZ DANCE NOW '07』)、レギュラー&バラード双方に籍を置く者は、第二部の開演までに衣装の着替え&“花魁”メイクから通常の舞台メイクへの修正を済ませなくてはならないわけですよ。

まず、この「さくらん」の衣装、ウエストの部分をマジックテープで留める“巻きスカート”型になっていて、これだけだと上演中の舞台上で勢い余ってマジテが剥がれ、巻きスカートが脱げちゃってもマズいので、留めた箇所を本番直前に“糸”で縫って補強しています。一部最後の演目である「さくらん」が終わって緞帳が降り、楽屋へ戻った舞姫およびレギュラー&バラード双方に籍を置くチームメイト達は、この糸をハサミでぶち切って花魁の衣装を脱ぎ、二部最初の演目であるバラード作品の衣装に急いで着替えるわけです。

その後、髪型&舞台メイクの修正を経て準備が整い次第、我々は急いで舞台へと戻るわけで、この発表会に先駆けて髪をばっつりショートにしてしまった舞姫は、今回の再演では髪型の修正はせずに済んで幾分は楽をさせて頂いたのですが、不器用なんで要領を得なくて、衣装の着替え&メイクの修正だけでも結局かなり手間取ってしまい、この慌ただしい休憩時間内に、「さくらん」で消耗したヒットポイントをリカバリーできなかったことが、もともと持久力に欠ける舞姫の“ガス欠”の要因だったわけで…(泣)。

第二部の開演を知らせるベルが鳴り響いた時点で、まだ舞姫はメイク修正の途中という状態。時間がない!急いで仕度を済ませた舞姫が全力疾走で舞台へと舞い戻り、全員揃ったことが確認されると、緞帳が上がり始める。懸命に気持ちを落ち着かせようと試みる舞姫。けど、心臓破りの大作「さくらん」でMAX状態と化して突っ切った舞姫の高鳴る心臓の鼓動は、この時点でまだ治まっていなかった…!

頼むから、舞台上で“エンスト”起こすのだけは、勘弁してくれ!…そう祈りながら、気持ちが途切れないように必死に維持し続ける。最後のユニゾンが終わると、一瞬安心し掛ける。…だめだ!まだ終わってない!舞台袖の奥に捌ける最後の瞬間まで、絶対に気を抜くな!…そう己に檄を飛ばす。

幸い、舞台上での“エンスト”だけは免れ、バラード作品は無事終了。さすがに、疲労困憊。けど、舞姫の役目は、まだ終わっていない。やがて舞台も終盤に差し掛かり、レギュラー最終であるE先生の作品を前に、舞姫も舞台袖で気持ちを整えながら待機。けど、E先生の作品の上演が始まって程なく、舞姫の身体はバラードのときと同じ“ガス欠”状態へと陥った。お願い、最後まで持たせて!懸命に祈りながら、前半のユニゾンを終えて、次の段取りである二人組のペア振付へ。

けど、相手役を務めるチームメイトと向き合った瞬間、舞姫のヒットポイントは、ぽん!と上がった。舞姫とペアを組んだチームメイトは、オープニングの“公開円陣”で気勢を発してくれた彼女。その彼女の元気な笑顔に、舞姫は助けられた。やがて他のチームメイト達も、舞台上で元気な声を次々と発し始め、消耗し切って幾らも残っていなかった筈の舞姫のヒットポイントも、次第に上昇していった。あとはもう、楽しくて楽しくて仕方がなく、舞姫もチームメイト達と一緒に声をあげながら、最後まで突っ走った。

E先生の作品が終わり舞台袖に捌けると、トリを飾るEXチームの作品の上演が始まるなか、スモークマシーンの煙を舞台上にくまなく行き渡らせるための巨大扇風機の傍で、火照った身体をクールダウン。は〜、気持ちいい。やがて、すべての作品の上演が終わりフィナーレに突入し、悪戦苦闘し続けた今年の発表会は、その幕を降ろしました。

不覚にも本番中に“ガス欠”状態に陥ってしまい、己の持久力不足を痛感した舞姫でしたが、それだけ極限まで追い詰められるほど、身体を駆使して舞台を務めることができたことは、舞台人としてある意味すごい幸せなことだったのかもしれません。42歳、高齢ダンサーの舞姫、もっと持久力をつけて、ヒットポイントを維持することが、次に舞台に立つ機会での課題となりそうです。(^^;)


★07年11月10日(土) 舞姫とチームメイト達の長い一日。

きょうは、本番前日。いよいよ我々出演者も午後からは劇場に入るわけですが、その前に午前中は、舞姫を含めバラードクラス所属のチームメイト達に召集が掛けられ、みんなでスタジオへ立ち寄って、T先生振付によるバラード作品の最後の稽古が行われました。

通常、土曜が稽古日であるこのバラードクラス、舞台ともなると、出演者全員参加による“総稽古”の類と重なって、本来の稽古がつぶれてしまうケースが多いんですね。今年の発表会の場合も、先達て行われた総見が土曜日。そして劇場でゲネプロが行われる本番前日であるきょうも土曜日ということで、他クラスと比較しての練度不足は否めず、今回はこれを補うために致し方なく、午後から劇場入りというこの日の午前中を使って、いちどスタジオに集まって稽古ということになったわけです。

ごく簡単にアップを済ませると、さっそく稽古に突入。まずは音楽に合わせて2度ほど流す程度に通し稽古をし、その後は練度の低い後半部を中心に念入りに確認が行われ、最後にまた2度ほど通し稽古をして、取り合えず終了。午後には楽屋入りして準備を整えなければならない都合上、稽古が終わるとみんな急いで身支度を済ませスタジオを出て、劇場へと向かいます。

舞姫は、劇場と同じ敷地内にある某大型スーパーに立ち寄り飲食料などを調達して劇場入り。楽屋で昼食を済ませると、ホッとする間もなく、舞台を使用しての“場当たり”が始まります。きょうは、この場当たり終了後も、予定がびっしり詰まっています。1作品に与えられる場当たりの時間も少ないので、要点だけをかいつまむようにして済ませ、次の作品のために急いで舞台を空け渡します。場当たり終了後は、出演者全員参加によるフィナーレの稽古。H先生の指示に従いながら、先達て総見の際にも行った段取りを再確認していきます。

フィナーレの稽古が済むと、こんどはオープニングの稽古。昨年、開場〜開演までの時間を利用して、舞台上で少々変わった趣向の演出を試みたところ、これが意外と好評だったので(そのときの話も含め、昨年の発表会の模様は、こちら。→思い出ドキュメント『goose bumps - 2006』)、今年も似たような雰囲気の演出を試みることになりました。これに先駆けて、少人数の有志でなにか余興的な小作品を…とスタジオ内で呼びかけたところ、若い学生ダンサー達を中心に、数チームが名乗りを上げてくれまして、舞台中央でその有志チームが小作品を披露するなか、舞姫を含む他の出演者達は、その周囲を取り囲みギャラリーと化して鑑賞するわけで、まぁ要するに舞台上で“ミニ発表会”的なことをやっているような感じですね。舞台上で踊る若いダンサー達の楽しそうな姿に、舞姫も自分が出演者であることを一瞬忘れ、楽しんで観入ってしまいました。

なお、出演者全員が常に舞台上に居る必要はなく、臨機応変に楽屋と舞台との間を行き来してもOKなのですが、開演間近になった頃には、必ず全員が舞台上に居るようにしてください…とのことでした。有志チームによる小作品の披露が一通り終わると、こんどは出演者全員が舞台中央に集まって円陣を組み、レギュラークラスのチームメイトのうちのひとりが、我々出演者全員を代表して掛け声をあげ、これから開演するこの舞台のために、みんなで気合を入れます。よく我々は自分の出番が迫ってくると、舞台袖などでみんなで集まって円陣を組んで気合を入れてから舞台へと臨んだりするのですが、観客の視線が集中する“公開の場”である舞台上で、この円陣をやってしまおうというわけですね。♪

オープニングの稽古が済むと、集合写真の撮影へと移ります。舞台後方にいる者まで顔が写るように、施設でパイプ椅子をお借りして、踏み台代わりに並べてみたのですが、これが実際に乗ってみると意外と安定が悪く、ちょっと危ないようです。翌日は本番というときに、集合写真の撮影中にひっくり返って怪我をしたのではマズいというわけで、パイプ椅子の使用はやめて、舞台監督さんの指示で技術スタッフさん達が箱馬(はこうま:通常よりも舞台を高い状態にする際や、大掛かりな舞台装置を組む際などに、“足場”として使用する、木製で箱型の台のこと)を並べてくださいました。

こうして、集合写真の撮影も無事に終了し、いよいよゲネプロ(ゲネラールプローベ“Generalprobe”の略。本番と同じ舞台を使用し、舞台進行・照明・音響など本番と同様にし、出演者も本番と同じ衣装を着用し舞台メイクを施し、客席に観客がいるものと想定して、すべて本番とまったく同じ条件で通し稽古を行うこと。なお、ウチのスタジオでは、ランスルー“Run through”という言葉が頻繁に使われます。これは、舞台進行を途中で止めずに最初から最後まで通し稽古をする、という意味の用語だそうで、“ゲネプロ”と同様の意味を持つ言葉と解釈してOK)へと突入。

そんなわけで、予定をぎゅうぎゅうに詰め込んだ本番前日は、どうにか終了。やっとゲネプロが終わった頃には、かなり夜遅い時間に達しており、午前中バラード作品の稽古のためスタジオへと立ち寄った舞姫とチームメイト達にとっては、長い一日となりました。くたくたになって楽屋へ戻った舞姫、さすがにメイクを落とす気力もなく、舞台メイクのまま這うようにして帰宅の途に。あしたは、いよいよ本番。この一晩で、体力復活できるんだろうか?…ちょっと不安です。(^^;)





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